COMMENT

複雑機構をあまり作っていないオメガでは珍しい、トリプルカレンダームーンフェイズを備えたコスミック。プッシュボタンは2時位置で月、４時位置で日付、8時位置でムーンの変更が可能です。曜日に早送り機能はありません。

この個体の特別なポイントは希少なデザインのケースにあります。コスミックの最初期ロットのみに見られる、シリンダー型ケースを採用しています。こちらのサイドビューは3段構成ですが、後年のケースは、ケース中位からベゼルが斜傾する、2段構成へとマイナーチェンジします。と是非比べてみてください。最初期ケースは高さがあるため、腕に乗せた時に存在感があります。ラグはアール・ヌーヴォー調のぽってりとしたものです。ホワイトの盤面は文字盤がゆるくカーブしたボンベダイアルで、柔和な雰囲気です。日付のプリントとデイト針はブルーでフェイスの差し色に。スモールセコンド、くさびのアプライドインデックスとヴィンテージならではの意匠が詰め込まれています。

ダイアルはミントコンディションです。この年式のホワイトダイアルでここまで状態が良いものは珍しいです。特別な時計ですので、細心の注意を払って保管されていたのではないでしょうか。外周が変色しているように写っていますが、光のリフレクトで金を反射しています。針やインデックスは肉眼では気にならないながらも、ルーペで注視するとわずかにエイジングが確認できます。ケースは痩せや打痕が最低限で、当時のプロポーションを保っています。複雑な機械ですが当店でオーバーホールを済ませているため、パワーリザーブ40時間と充分実使用していただけます。

オメガ社創立100周年を記念して作られたトリカレムーンのコスミック。コスミックラインは1947年から1956年まで9年間製造し、その製造数は約50000本と言われています。バリエーションが豊富に確認されており、70年経過した現在、同一個体を発掘することはほぼ不可能と言っても過言ではないでしょう。中でもケース形状が特殊な最初期の個体をミントコンディションでの発掘に成功、嬉しい機会です。1940年代のオメガ最高峰の一つを、コレクションに加えてみてはいかがでしょうか。

BRAND

1848年の創設以来、数多くの優れた業績を残してきたオメガ。いつの時代も多くの著名人、スポーツマン・冒険家の腕にはオメガがあり、偉大な功績とその瞬間を見守り続けてきた。その歴史に共感するファンも多く、ブランドウォッチの代名詞ともいえる存在。

HIGHLIGHT

100th  Anniversary Model,  First Release,   Cylinder Case